AIO対策とは。Google AI Overviews・AIモードで引用されるための実装手順
執筆: 株式会社センダー(AI・データを活用したマーケティング支援)
「AIO対策とは何か」に先に答えます。「AIO」という言葉は、業界で2つの意味に使われています。1つは「AI Optimization」の略で、ChatGPT・Perplexity・GoogleのAIモードなどを含む、AI検索全体への対策を指す使い方です(この意味では、LLMOとほぼ同じ範囲を指します)。もう1つは、Google検索に表示される「AI Overviews」という機能に対象を絞った対策を指す使い方です。本記事では後者の意味で使い、Googleの検索結果に表示されるAI Overviews・AIモードで、自社のサイトや情報が回答の引用元として表示されるようにする施策を「AIO対策」と呼びます。
従来のSEOが検索結果一覧での上位表示を目指すのに対し、AIO対策はAIが作る回答の中で自社が引用・言及されることを目指します。特に、購入や契約の前に情報を比較検討する分野では、AI Overviews・AIモードでの見え方が、検索結果一覧での見え方と同じくらい重要になっていると考えられます。AI検索全体を対象にした対策の全体像はLLMOとは何か、LLMO・AIO・GEO・AEOという用語同士の違いはLLMO・AIO・GEO・AEOの違いで整理しています。
この記事では、AIO対策への関心の高まり、Google AI Overviews・AIモードが引用元を選ぶ仕組み、引用されやすいページの要因、実装の5つの手順、効果測定の注意点までを解説します。2026年8月時点の情報です。
AIO対策への関心の高まり
ラッコキーワードのデータ(2026年6月時点)をもとにした当社調査によると、「AIO対策」の月間検索数(12ヶ月平均)は3,600、12ヶ月の変化率は+864%(約9.6倍)でした。直近の2026年6月単月では8,100まで増えています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 月間検索数(12ヶ月平均) | 3,600 |
| 2026年6月単月の検索数 | 8,100 |
| 12ヶ月変化率 | +864%(約9.6倍) |
同じ調査では、「LLMO対策」が3,600(+309%)、「GEO対策」が1,300(+587%)でした。関連する対策名の検索数は、いずれも12ヶ月で3倍以上に増えています。検索する側の関心が、対策の呼び方を問わず広がっていると見込まれます(根拠: 上記3語の変化率がいずれも+300%を超えている)。
2026年6月単月の検索数(8,100)は、12ヶ月平均(3,600)の2.25倍にあたります。
「〜とは」という語形の検索が用語の意味を知りたい段階に多い一方、「〜対策」という語形は、実装の方法を探す段階の検索に多いと見込まれます(根拠: 「対策」という語自体が具体的な行動を指すこと)。「AIO対策」という検索数の増加は、Google検索での引用を具体的に得る方法を探す、実務的な関心の高まりを示していると考えられます。
Google AI Overviews・AIモードの仕組み
AIO対策を検討する前に、Google AI Overviews・AIモードがどのような機能かを整理します。
AI Overviewsは、Google検索の検索結果ページの上部に表示される、AIが生成した要約回答です。回答の下または横に、参照元となったページへのリンクが表示されます。AI Overviewsが表示された場合でも、その下には従来どおりの検索結果一覧(いわゆる10本のリンク)が続けて表示されており、通常の検索結果と併存する形です。また、すべての検索キーワードで表示されるわけではなく、Googleが要約の提示を有用と判断したキーワードで表示されます。
AIモードは、Google検索内で利用できる、対話形式の検索機能です。通常の検索結果の中に自動的に表示されるAI Overviewsとは異なり、検索画面の専用タブを選んで使う、独立した検索体験です。1つの質問への回答だけでなく、続けて質問を重ねながら情報を絞り込める点が特徴で、回答には参照元のリンクが添えられます。
両者の違いを整理すると、次のようになります。
| 観点 | AI Overviews | AIモード |
|---|---|---|
| 表示のされ方 | 通常の検索結果の中に自動的に表示される | 専用タブを選んで利用する独立した検索体験 |
| 回答の形式 | 1回の質問に対する要約 | 続けて質問を重ねられる対話形式 |
| 検索結果一覧との関係 | 下に通常の検索結果一覧が続けて表示される | 通常の検索結果とは別の画面で回答する |
一方で共通しているのは、ユーザーの質問に対してその場でウェブ上の情報を検索し、複数のページを読んで要約したうえで、参照元を示して回答する点です。回答が作られるまでの流れを分解すると、次のようになります。
- ユーザーが検索キーワードを入力する
- Googleが該当するウェブページを検索し、複数のページを取得する
- 取得したページの内容を読み、質問に対する回答を要約する
- 要約と一緒に、参照元のページへのリンクを表示する
取得するページの数や、どのページを参照元に選ぶかは、Google側の判断で決まり、事業者側から指定することはできません。AIモードでは、この後にユーザーが続けて質問を入力すると、直前の回答内容を踏まえたうえで、同じ流れが繰り返されます。つまり、1回の検索だけでなく、続く質問でも参照元として選ばれ続けるかどうかが問われます。
この一連の流れのうち、事業者が働きかけられるのは、主に2と3の段階、つまり「検索で取得されること」と「取得された内容が答えとして抜き出しやすいこと」です。次の章では、抜き出しやすさに影響する具体的な要因を見ていきます。この仕組みはRAG(検索拡張生成)と呼ばれ、ChatGPTやPerplexityを含むAI検索全体に共通する考え方です。詳細はLLMOとは何かでも解説しています。
AI Overviews・AIモードに引用される要因
AI Overviews・AIモードにどのページが引用されるかは、検索順位だけで決まるわけではありません。AirOpsとKevin Indig氏による調査『The State of AEO Report』(2026年)では、Google AI Overviewsが引用したURLの59.6%が、通常の検索順位で20位圏外でした。検索順位が20位より下のページであっても、AI Overviewsに引用される場合がある一方、検索順位が高いページが必ず引用されるとは限らないということです。検索順位が高いことと、AI Overviewsに引用されることは、必ずしも同じ要因で決まっていないことを示す数値です。
同調査(以下、AEO調査)では、引用されやすいページの要因として、次の数値が報告されています。
- 見出し階層: 適切な見出し階層(h1→h2→h3の順)を持つページは、引用可能性が2.8倍でした
- 構造化データ: 引用されたページの約61%が、構造化データを3種類以上実装していました
- 鮮度: AIが引用したページ全体では70%超、商用の質問(購入・契約の検討に関わる質問)に限ると83%が1年以内に更新されたページでした。3ヶ月以上更新されていないページは、引用を失う確率が3倍以上というデータもあります
見出し階層は、AIが回答に使う箇所を段落単位で抜き出す際の目印になります。構造化データは、ページの運営者情報や内容の種類をAIが認識する助けになります。鮮度が商用の質問で特に重視されるのは、価格・在庫・制度などの変わりやすい情報を含むためと考えられます。
この調査の数値は相関関係であり、サンプル数・統計手法の詳細は公開されていません。一律の正解とはせず、自社のデータで実際の引用状況を確認することが推奨されています。自社サイトの中で、実際にAI Overviewsに引用されているページと、されていないページを見出し階層・構造化データ・更新日の観点で比較することが、この調査データを活用する具体的な方法です。
AIO対策の実装手順
ここまでの内容を踏まえ、AIO対策の実装手順を5つのステップに整理します。現状を把握しないまま技術面の整備や第三者への依頼を進めると、どの対策が引用に結びついたかを判断できなくなります。先に基準を記録しておくことが、残り4つのステップの土台になります。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 現状確認 | 自社に関係する質問でAI Overviews・AIモードの表示と引用を確認する |
| 2. 技術面の整備 | 構造化データ・見出し階層・更新日を整える |
| 3. コンテンツの整備 | 直接回答・リスト・一次情報を盛り込む |
| 4. 第三者サイトでの言及 | 比較記事・レビュー・UGCでの言及を増やす |
| 5. 効果の計測 | GA4計測と引用状況の定点観測を組み合わせる |
1. 現状確認
自社の事業に関係する質問を5〜10個ほど用意し、実際にGoogle検索でAI Overviews・AIモードが表示されるかを確認します。確認する質問は、自社名やサービス名を含むものだけでなく、購入や契約を検討する人が実際に入力しそうな、一般的な言葉での質問も含めます。表示された場合は、自社が引用元に含まれているか、競合が含まれているかを記録します。
AI Overviews・AIモードの回答は、検索するタイミングや端末によって内容が変わることがあると報告されているため、1回だけでなく複数回・複数の環境で確認することが望まれます。AI Overviews・AIモードは対応言語・地域によって表示されるキーワードの範囲が異なるため、日本語での検索で確認することも欠かせません。確認した質問・表示の有無・引用の有無は、表形式で記録しておくと、対策後の比較が容易になります。この時点の状態が、後で変化を比較するための基準になります。
2. 技術面の整備
構造化データ(Organization・FAQPage・Article等)を実装し、見出し階層をh1→h2→h3の順に整理します。構造化データは、ページの種類に応じてFAQPage(よくある質問)・Article(記事)・Organization(組織情報)などを使い分けます。見出し階層は、1つの見出しの中に複数のトピックを混在させず、1見出し1トピックを徹底します。
ページの更新日を明記し、実際に内容を見直したうえで更新します。更新していないのに日付だけを変更することは避けます。前章の数値のとおり、見出し階層が適切なページは引用可能性が2.8倍、構造化データを3種類以上実装したページは引用されたページの約61%を占めていました。
3. コンテンツの整備
質問への直接回答を文頭に置き、手順や比較にはリストと表を使います。直接回答は、結論を最初の1〜2文で述べ、その後に根拠や詳細を続ける順序にします。料金プラン・手順・比較条件などは、文章で続けて書くのではなく、リストや表に置き換えられるかを確認します。自社の実測データや独自調査など、他サイトに書けない一次情報を盛り込みます。ChatGPTが引用したページの約80%がリストを使用していたというデータもあり、リスト形式は複数のAI検索に共通して有効と見込まれます(根拠: AEO調査でのリスト使用率)。
4. 第三者サイトでの言及
商用の質問では、AI引用の85%が第三者サイト(比較記事・レビュー・まとめ記事)によるもので、自社サイト由来は13%でした。また、比較記事内の上位3枠に入ったブランドが、引用の約80%を占めています。依頼先の候補は、自社の分野で検索した際に表示される比較記事・まとめ記事・レビューサイトから探します。候補には、業界メディアが運営する比較記事だけでなく、個人が運営するブログやレビューサイトも含まれます。掲載を依頼する際は、料金・特徴・実績など、記事の執筆者が引用しやすい形で情報を提供します。掲載実績のある比較記事の中に情報が古いものがあれば、更新を依頼することも選択肢になります。Reddit・YouTube・Wikipedia等のUGC(ユーザー生成コンテンツ)が全引用の48%を占める点もあわせて確認します。
5. 効果の計測
GA4でのAI経由流入の計測と、引用状況の定点観測を組み合わせます。定点観測は、ステップ1で用意した質問セットを月1回程度、同じ条件でAIに投げ直し、引用・言及の変化を記録する方法です。計測を始める前に、比較の基準となる期間(たとえば直近3ヶ月)を決めておくと、変化を判断しやすくなります。GA4での計測には制約があり、具体的な内容は次の章で説明します。
5つのステップをより詳細な項目まで分解したチェックリストは、LLMO対策のやり方。実装チェックリスト22項目にまとめています。
AIO対策の注意点
AIO対策には、計測面での制約があります。GA4上では、Google AI Overviews経由のアクセスは、通常の自然検索(google / organic)と混在して表示され、区別できません。そのため、GA4で計測できるAI経由の流入は、実際の引用によるアクセスより少なめに出ます。AIモードも同じgoogle.com内の機能であるため、同様に区別が難しいと考えられます(根拠: 参照元がどちらもgoogleドメインになるため)。
あわせて、AI Overviews・AIモードの回答を見た後、日をあけて直接サイトを訪れたユーザーの問い合わせは、そのAI経由の訪問には帰属されません。また、何を「問い合わせ」とみなすか(コンバージョンの定義)は、サイトごとに設定を確認する必要があります。
この制約があるため、GA4の数値だけでAIO対策の効果を判断することはできません。GA4でAI経由の流入を確認する際は、実際の引用件数より少なめに出ることを前提に、絶対数ではなく増減の傾向を見ることが実務上の対応になります。ダイレクト流入(URLの直接入力等)の増減を、AI Overviews経由の効果を推測する手がかりの1つとして参考にする方法もありますが、これはあくまで推測であり、AI経由であることを直接示すものではありません。前章のステップ5で触れた「引用状況の定点観測」、つまり自社に関係する質問をAIに直接投げて、引用・言及の有無を継続的に記録する方法を並行して行うことが必要になります。
よくある質問
AI Overviewsに引用されると、通常の検索順位に影響しますか
公開されている情報からは確認できません。AI Overviewsに引用されるかどうかと、通常の検索順位が別の要因で決まっている可能性を示すデータ(引用されたURLの59.6%が検索20位圏外)はありますが、これは「引用と順位が同じ要因で決まっていない」ことを示すものであり、「引用されると順位が変わる」という逆方向の関係を示すものではありません。裏付けとなるデータが公開されていない以上、影響の有無は不明とするのが適切です。実務上は、順位への影響を前提にするのではなく、引用そのものを得ることを目的にAIO対策を進めることが妥当です。
AIO対策とLLMO対策は、別に発注すべきですか
分ける必要はありません。AIO対策は、LLMO対策のうち「Googleの検索結果でAI Overviews・AIモードに引用される」部分に対象を絞った対策であり、LLMO対策はChatGPT・Perplexity等を含むAI検索全体を対象にした、より広い範囲の対策です。見出し階層・構造化データ・一次情報・第三者言及など、実装する内容の多くは共通しています。個別に発注すると、同じ調査や同じ改修を別々の担当者に依頼することになりやすく、費用と時間の両方で重複が生じます。対象範囲にGoogleのAI Overviews・AIモードを含めたうえで、LLMO対策として一括で依頼するほうが効率的です。用語同士の範囲の関係は、LLMO・AIO・GEO・AEOの違いで整理しています。
効果が出るまでどのくらいかかりますか
各社公式サイト・公開情報の当社調査(2026年6月時点)によると、業界で標準的とされる進み方は、着手から1ヶ月で技術面の土台が完成、2〜3ヶ月で部分的な引用の獲得、6ヶ月で安定という期間です。ステップ2で扱う技術面の整備は、構造化データの実装や見出しの修正といった、既存ページの改修が中心になるため、比較的短期間で反映されやすい領域です。一方でステップ4の第三者サイトへの掲載依頼は、依頼先の記事の更新スケジュールに左右されるため、技術面より時間がかかりやすくなります。対象にする質問の数やページの更新頻度によって、この期間は前後します。
まとめ
- AIO対策とは、Google検索のAI Overviews・AIモードで自社の情報が引用されるようにする施策です。「AI Optimization」全体を指す使い方と区別して使われる場合があります
- 「AIO対策」の検索数は12ヶ月で+864%(約9.6倍)に増え、2026年6月単月では8,100まで増えています
- AI Overviewsに引用されるかどうかは検索順位だけで決まらず、見出し階層・構造化データ・鮮度・第三者サイトでの言及が関わります
- 実装は「現状確認→技術面の整備→コンテンツの整備→第三者サイトでの言及→効果の計測」の5ステップで進めます
- GA4だけではAI Overviews経由の流入を判別できないため、引用状況の定点観測を併用します
自社で進める場合は、実装チェックリストから着手してください。現状を先に知りたい場合は、当社の無料LLMO診断で、主要な質問での引用状況と競合との差を確認できます。対策の依頼を検討される場合はLLMO対策サービスをご覧ください。



