LLMO診断でわかること。自社でできるセルフチェック10項目
執筆: 株式会社センダー(AI・データを活用したマーケティング支援)
LLMO診断とは何かに、先に結論から答えます。LLMO診断とは、ChatGPTやGoogleのAIモードなど、AI検索で自社がどのように扱われているかを確認する調査です。AIの回答の中で引用・言及されているか、競合と比べてどうか、AIがサイトの内容を読み取りやすい状態になっているかを調べます。専門会社に依頼しなくても、基本的な確認は自社で無料で行えます。この記事で紹介する10項目を順に確認すれば、現状のおおよそが分かります。
ラッコキーワードのデータ(2026年6月時点)をもとにした当社調査では、「LLMO 診断」の月間検索数は210件で、12ヶ月で約5.0倍に増えています。LLMOという用語自体の意味や対策の全体像は、LLMOとは何か。仕組みと対策の全体像で解説しています。ここでは、診断で確認する内容にしぼって解説します。2026年8月時点の情報です。
診断で確認する3つの観点
LLMO診断は、大きく3つの観点で行います。このあとのセルフチェック10項目は、いずれかの観点に対応しています。
| 観点 | 確認すること | 対応する項目 |
|---|---|---|
| ①AIの回答での引用・言及の有無 | AIに実際に質問し、自社が回答の中で引用・紹介されるかを見る | 項目1・2・4 |
| ②競合との差 | 競合名が出る質問や、比較記事・第三者サイトで自社がどの位置にいるかを見る | 項目3・10 |
| ③サイト側の受け入れ態勢(技術・コンテンツ) | AIがサイトを読み取り、引用しやすい状態になっているかを見る | 項目5〜9 |
検索順位が高いことと、AIに引用されることは、別の指標です。AirOpsとKevin Indig氏による調査「The State of AEO Report」(2026年)では、Google AI Overviewsが引用したURLの59.6%は、通常の検索順位で20位圏外でした(以下、同調査を「AEO調査」と略します)。自社サイトが検索で上位に表示されていても、AIの回答内での扱いは別に確認する必要があります。
観点①と②は、現時点でAIからどう扱われているかを見るものです。観点③は、今後の引用を増やせるかどうかの土台にあたります。両方を確認することで、現状と対策の余地が分かります。
自社でできるセルフチェック10項目
1. 主要な質問でAIに聞いてみる
自社の事業に関係する質問を、ChatGPTなどのAIに実際に投げて、回答の中に自社が出てくるかを確認します。質問は次の5パターンで作ると、多くの業種に当てはまります。
- おすすめの◯◯会社(例:「おすすめのLLMO対策会社」)
- ◯◯ 比較(例:「LLMO対策ツール 比較」)
- ◯◯とは(例: 自社のサービス名+「とは」)
- ◯◯のやり方(例:「LLMO対策のやり方」)
- 地域名+サービス名(例:「渋谷区 コンサルティング会社」)
自社が想定している見込み客の検索行動に合わせて、5パターンそれぞれで1〜2問作り、合計5〜10問を用意します。
2. 自社名で聞いたときの回答の正確性を確認する
「(自社名)とは」「(自社名)の評判」のように、自社名を直接含めて質問し、回答の内容を確認します。確認する点は次の3つです。
- 事業内容・拠点・代表者などの基本情報が、現在の状態と一致しているか
- 終了したサービスや古い価格が、現在のものとして紹介されていないか
- 実際には提供していない内容が、誤って紹介されていないか
AIの回答が学習データや古いウェブページの情報にもとづいている場合、実態と異なる内容が答えとして出ることがあります。誤りがあれば、自社サイトの該当ページを最新化することが対応の起点になります。複数のAIで同じ質問をすると、AIごとに参照している情報源が異なるため、誤りの傾向も比較できます。
3. 競合名が出る質問で自社が出るか確認する
競合他社の名前が出る質問を作り、そのままAIに投げます。たとえば「◯◯社の代わりになる会社」「◯◯社と比較して」のような聞き方です。
回答の中に自社が候補として並んでいるか、逆に競合のみが挙がっているかを確認します。テストする競合は、自社が特に意識している2〜3社を選ぶと、確認の手間を抑えられます。AI検索は、検索で取得できた情報をもとに回答を作る仕組みが報告されています。競合のみが挙がる場合は、自社の情報がAIから見つかりにくい状態にあると見込まれます。
4. GA4でAI経由の流入があるかを確認する
GA4(Googleアナリティクス4)で、セッションの参照元にchatgpt.com・perplexity.aiなどのAI検索サービスが含まれていないかを確認します。これまでにAI経由の訪問が発生していれば、少なくとも一部の回答で自社が引用・言及されたことがあると判断できます。
なお、Google AI Overviews経由の流入は通常の検索流入と区別できないため、この確認のみでは全体を捉えきれません。具体的な設定手順はGA4でAI検索経由の流入を計測する方法で解説しています。
5. robots.txtでAIクローラーを拒否していないか確認する
自社サイトのURLの末尾に/robots.txtを付けて開きます(例: https://自社ドメイン/robots.txt)。表示された内容に、GPTBot(ChatGPT)やPerplexityBotなどのAIクローラー名があり、Disallowで拒否する記述になっていないかを確認します。
robots.txt自体が存在しない場合は、特別な制限がない状態です。制作会社が過去にすべてのクローラーを一括で拒否する設定を入れている場合があり、その設定がAIクローラーにも及んでいることがあります。拒否の記述がある場合は、自社で対応するか制作会社に確認します。
6. 構造化データが入っているかを確認する
主要なページのURLを、Googleの「リッチリザルトテスト」に入力して確認します。構造化データとは、ページの内容(会社情報・記事・よくある質問など)をAIや検索エンジンが読み取りやすい形式で示すマークアップです。
AEO調査では、AIに引用されたページの約61%が構造化データを3種類以上実装していました。会社情報にはOrganization、よくある質問にはFAQPageのように、ページの内容に合わせて複数の種類を組み合わせて実装するのが基本です。ツールで対応する構造化データが検出されない場合は、実装が不足している可能性があります。
7. 見出し階層が正しいかを確認する
主要なページを開き、見出し(h1・h2・h3)の使われ方を確認します。h1はページに1つのみか、h2の次にh3が続いているか(h2を飛ばしてh4が出てくるような使い方になっていないか)を見ます。ブラウザの検証機能(右クリック→検証)で見出しタグを確認できます。
AEO調査では、適切な見出し階層を持つページは引用可能性が2.8倍でした。あわせて、本文が箇条書きや番号リストを使っているかも確認します。ChatGPTが引用したページの約80%が、箇条書きや番号リストを使用していました。
8. 主要ページの更新日を確認する
サービスページ・料金ページなど、主要なページの最終更新日を確認します。CMSの管理画面の更新日、またはページに表示されている更新日表記を見ます。更新日の表記がないページは、WordPressなどのCMSであれば、投稿一覧の更新日列で確認できます。
AEO調査では、3ヶ月以上更新されていないページは、AI回答での引用を失う確率が3倍以上でした。また、AIが引用したページの70%超が1年以内に更新されたページで、商用の質問では83%が1年以内でした。主要ページの更新日が1年以上前になっていないかが、確認の目安になります。
9. llms.txtがあるかを確認する
自社サイトのURLの末尾に/llms.txtを付けて開きます。表示されれば設置済み、404などのエラーになれば未設置です。
llms.txtは、サイトの概要と主要ページをAI向けにまとめたテキストファイルです。設置の有無が直接の引用条件になっているわけではありませんが、書き方や効果の考え方はllms.txtとは。書き方・設置手順・効果の考え方で解説しています。
10. 第三者サイト・比較記事での言及を確認する
検索エンジンで自社名を検索し、自社サイト以外に表示されるページ(比較記事・レビューサイト・業界メディアなど)の件数を数えます。件数と、上位の比較記事に掲載されているかを確認します。
AEO調査では、商用の質問におけるAI引用の85%が第三者サイトで、自社サイト由来は13%でした。また、Reddit・YouTube・Wikipedia等のUGC(ユーザー生成コンテンツ)が全引用の48%を占めています。比較記事とUGCの両方を、確認の対象に含めます。
AEO調査の数値は相関関係であり、サンプル数・統計手法の詳細は公開されていません。一律の正解とせず、自社データでの検証をあわせて行うことが推奨されています。
記録の仕方。月1回の定点観測
1回の確認で終わらせず、月1回など一定の間隔で同じ質問セットを使って記録すると、変化が分かります。記録する項目は次の5つです。
- 日付
- 質問文
- 使ったAI(ChatGPT・Perplexity・Google AIモードなど)
- 自社の引用・言及の有無
- 言及された競合
表にすると次のようになります。
| 日付 | 質問 | 使ったAI | 自社の引用 | 言及された競合 |
|---|---|---|---|---|
| 2026-08-01 | おすすめのLLMO対策会社 | ChatGPT | なし | A社・B社 |
| 2026-08-01 | LLMO対策 やり方 | Perplexity | あり(2番目) | A社 |
質問の数を増やすほど精度は上がりますが、まずは項目1で作った5〜10問を、毎月同じ形で聞くことから始めれば十分です。担当者を1人決めておくと、質問文や記録の基準がぶれずに継続できます。
セルフチェックの限界
ここまでの10項目は、いずれも自社で無料で確認できます。一方で、次の3点には手作業での限界があります。
- 質問の数を増やして精度を上げようとすると、確認と記録の工数が増えます
- 競合が多い業種では、比較記事や第三者サイトを網羅的に洗い出す作業に手間がかかります。対象のAI・質問・競合の組み合わせが増えるほど、確認すべき件数も増えます
- 構造化データや見出し階層など、技術面の詳細な診断にはHTMLやマークアップの知識が必要です
これらを解決する選択肢として、専門の診断サービスを使う方法があります。当社では、主要な質問での引用状況と競合との差を確認する無料のLLMO診断を提供しています。ヒアリングと報告のみで完結でき、報告後の対策の依頼は前提にしていません。自社での確認と合わせて、現状把握の手段の一つとして利用できます。
よくある質問
どのAIでチェックすべきですか
検索を併用して回答するAI(ChatGPTの検索機能、Perplexity、GoogleのAI Overviews・AIモードなど)を優先して確認します。学習データのみにもとづいて回答するタイプは、その場のウェブ情報を反映しないため、引用状況の確認には向きません。自社の見込み客が実際に使っているAIが分かっている場合は、それを優先します。また、同じAIでも、ログイン状態や過去の会話履歴によって回答が変わることがあります。可能であれば、ログアウトした状態か新しい会話で確認すると、条件をそろえやすくなります。
チェックの頻度はどのくらいが適切ですか
月1回が目安です。AEO調査では、3ヶ月以上更新されていないページは引用を失う確率が3倍以上というデータがあり、AI側の回答も日々更新されています。月1回、同じ質問セットで記録すれば、変化を追いかけられます。構造化データの実装や記事の公開など、大きな対応を行った直後は、間隔を空けずに確認して構いません。
引用されていなかった場合、まず何をすればいいですか
技術面(見出し階層・構造化データ・robots.txt・llms.txt)に不足があれば、そこから対応します。土台が整っている場合は、更新頻度を上げることと、第三者サイト・比較記事での言及を増やすことが次の対応になります。実装の優先順位はLLMO対策のやり方。実装チェックリストにまとめています。
まとめ
- LLMO診断とは、AI検索での自社の扱われ方(引用・言及の有無、競合との差、サイト側の受け入れ態勢)を確認する調査です
- 基本的な確認は、AIへの質問・GA4・robots.txt・リッチリザルトテストなど、無料の方法で自社でも行えます
- 見出し階層が正しいページは引用可能性が2.8倍、3ヶ月以上更新のないページは引用を失う確率が3倍以上など、確認の目安になる数値があります
- 月1回、同じ質問セットで記録すると、引用状況の変化を追いかけられます
- 質問数を増やした精度向上や競合の網羅、技術面の詳細診断には、手作業での限界があります
自社で対応を進める場合は、実装チェックリストで優先順位を確認してください。第三者の視点で確認したい場合は、当社の無料LLMO診断をご利用ください。



