Google for Nonprofitsとは。対象団体・申請の流れ・使えるサービス
執筆: 株式会社センダー
Google for Nonprofitsは、Googleが参加資格のある非営利団体に、Googleのサービスを無料または割引価格で提供するプログラムです。日本で対象となる法人格は、公益社団法人・公益財団法人・特定非営利活動法人(NPO法人)・社会福祉法人・一般社団法人の5つで、法人格ごとに条件があります。団体はGoogleのサイトから申請し、Googleの審査担当パートナーであるGoodstackが団体を審査します。承認されたあと、Google Workspace for NonprofitsやGoogle Ad Grantsなどのサービスを1つずつ有効にします。2026年10月時点の情報です。
この記事の内容は、Googleの非営利団体向けヘルプと公式サイトの記載(2026年10月18日閲覧)にもとづいています。仕様は変更されるため、申請の前に公式の最新情報を確認してください。
Google for Nonprofitsの概要
Google for Nonprofitsの日本語での正式な名称は「Google for Nonprofits | 非営利団体向けプログラム」です。Googleのヘルプでは、寄付者やボランティアを見つける、作業の効率を高める、といった用途が挙げられています。2026年10月時点で、180以上の地域で提供されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | |
| 対象 | 各国の要件を満たし、Goodstackの審査で非営利団体と認められた団体 |
| 費用 | Google Workspace for Nonprofitsの基本機能、Google Ad Grants、YouTube 非営利プログラムは無料。Google Maps Platformは月額250ドルのクレジットで、超えた分は有料。Google Workspaceの上位エディションは非営利団体向けの割引価格 |
| 申請先 | Google for Nonprofitsのサイト([使ってみる]から申請) |
| 審査 | Googleの審査担当パートナーであるGoodstack |
提供されるサービス
Googleのヘルプでは、次の4つのサービスが挙げられています。ヘルプには、国によっては利用できないサービスがあると書かれています。日本で使えるかは、Google for Nonprofitsのアカウントにログインして確認してください。
| サービス | 内容 | 費用の記載 |
|---|---|---|
| Google Workspace for Nonprofits | Gmail、Googleドキュメント、Googleカレンダー、Google Meetなどの業務用サービス | 基本機能は無料。Business Standard・Business Plus・Enterpriseの各エディションは非営利団体向けの割引 |
| Google Ad Grants | Google検索にテキスト広告を掲載する | 1か月あたり最大1万米ドル分の広告クレジット |
| YouTube 非営利プログラム | 動画から団体のサイトへ移動できるリンク、非営利団体向けのクリエイター アカデミーの講座、専用のメールサポート | ヘルプでは無料で利用できるサービスとして挙げられている |
| Google Maps Platform | 団体の活動の位置情報を地図で表示する | 月額250ドルのクレジット。クレジットを超えた利用は従量課金の対象 |
Google Ad Grantsは、Google for Nonprofitsの承認を受けたあと、別に有効化を申請して使います。有効化の審査では、団体のウェブサイトがGoogleのウェブサイトに関するポリシーを満たしているかが確認されます。広告の上限額と利用要件は、Google Ad Grantsとはで解説しています。
Google Workspace for Nonprofits
Google Workspace for Nonprofitsは、Google Workspaceの基本機能を無料で使えるサービスです。Googleのヘルプでは、次の使い方が紹介されています。
- Gmailで、団体の独自ドメインのメールアドレスを設定する
- Googleドキュメントで、助成金の申請書や会議の議事録を共同で作成・編集する
- Googleカレンダーで、団体の予定を共有する
- Google Meetで、ビデオ会議を開く
追加の機能が必要な団体は、Business Standard・Business Plus・Enterpriseの各エディションに、非営利団体向けの割引価格でアップグレードできます。保存容量や会議の参加人数などの条件と価格は変更されることがあるため、契約前にGoogleの最新の案内を確認してください。
個人のGmailアドレスで団体の連絡をしている場合、Google Workspace for Nonprofitsを使うと、団体のドメインのアドレスに切り替えられます。Google Workspaceでは、団体の管理者がユーザーのアカウントを追加・削除できます。
対象となる団体
Googleのヘルプ「資格に関するガイドライン」では、参加の条件が次のように定められています。
- 掲載された国または地域で、慈善団体として登録されていること。あわせて、Goodstackから非営利団体として認定されていること
- その国または地域で定められた要件を満たしていること
- Google for Nonprofitsの追加利用規約に同意していること
日本で対象となる法人格は、次の5つです。表の左列は、ヘルプの日本語版の表記のとおりです。
| ヘルプの表記 | 一般的な呼び方 |
|---|---|
| 公益社団法人 | 公益社団法人 |
| 公益認定等委員会により認定された公益財団法人 | 公益財団法人 |
| 市町村または都道府県の認定を受けた特定非営利活動法人 | 特定非営利活動法人(NPO法人) |
| 市町村、都道府県、厚生労働省のいずれかから認可を受けた社会福祉法人 | 社会福祉法人 |
| 一般社団法人 | 一般社団法人 |
特定非営利活動法人の行は、日本語版では「認定を受けた」、英語版では「certified by the city government or prefectural government」と書かれています。この表記からは、所轄庁の認定を受けた認定NPO法人に限るのか、設立の認証を受けたNPO法人全体を指すのかを判断できません。認定NPO法人ではないNPO法人が申請する場合は、申請前にGoodstackに確認してください。
次の団体は、国を問わず対象外です。
| 対象外の団体 | 例外 |
|---|---|
| 政府事業体・政府機関 | なし |
| 病院・医療団体 | 医療団体に関連する慈善部門や財団法人は対象 |
| 学校・学術機関・大学 | 教育団体の慈善事業部門は対象。教育機関にはGoogle for Educationがある |
任意団体や自治会・町内会など、上の5つにあたらない形態の団体は、日本の要件の一覧に含まれていません。
申請の流れ
Googleのヘルプ「利用を開始する5つのステップ」では、申請の流れが次のように示されています。
- 資格要件を確認する。 団体が対象の法人格にあたるか、対象外の団体でないかを確認します。
- アカウントをリクエストする。 Google for Nonprofitsのサイトで[使ってみる]をクリックし、手順に沿って団体の情報を入力します。団体のアカウントがすでにある場合は、アクセスをリクエストする手順が案内されます。
- 審査を待つ。 Goodstackが、団体の状況と、申請した人が団体に所属していることを確認します。Goodstackから、追加の情報や書類を求められる場合があります。
- サービスを有効にする。 審査が完了すると、各サービスを1つずつ有効にできます。
- アカウントを活用する。 Googleのヘルプや動画で、各サービスの使い方を確認します。
審査にかかる期間は、ヘルプのページによって書き方が異なります。
| ページ | 審査期間の記載 |
|---|---|
| 利用を開始する5つのステップ | 通常2〜14営業日 |
| Goodstackの審査を受ける | ほとんどのリクエストは3〜5営業日以内 |
Goodstackからの連絡はメールで届きます。Googleのヘルプでは、迷惑メールのフォルダも確認するよう案内されています。
申請の前に準備すること
申請の前に、次の3点を確認しておくと、審査中の追加の問い合わせに対応しやすくなります。
- 団体の登録情報。 法人の名称・所在地・登録番号を、申請時に正確に入力できるようにしておきます。Googleのヘルプには、非営利団体の登録番号の調べ方についての質問と回答があります。
- 申請に使うメールアドレス。 Google Ad Grantsを使う場合、Ad Grantsのアカウントは、Google for Nonprofitsに登録したユーザー名と同じにする必要があります。団体として管理できるアドレスで申請します。
- 団体のウェブサイト。 Google Ad Grantsの有効化では、ウェブサイトがHTTPSで保護されていることと、団体のミッションと活動が明記されていることが求められます。
承認されないときに確認すること
審査で承認されなかった場合は、次の3点を確認します。
- 法人格。 団体の法人格が、日本の要件にある5つのいずれかにあたるかを確認します。
- Goodstackから求められた書類。 Goodstackから追加の情報や書類を求めるメールが届いていないかを確認します。Goodstackのヘルプ(Googleのヘルプからリンクされている)には、非営利団体であることを証明するために提示する書類についての質問と回答があります。
- 再審査のリクエスト。 Googleのヘルプ「Goodstackの審査を受ける」のよくある質問には、不承認となったアカウントの再審査をGoodstackにリクエストする方法が挙げられています。回答はGoodstackのヘルプセンターに掲載されています。
審査の途中で不明な点がある場合、Googleのヘルプでは、Goodstackに直接問い合わせるよう案内されています。
よくある質問
一般社団法人や社会福祉法人も対象になりますか。
対象になります。Googleのヘルプでは、日本で対象となる法人格として、一般社団法人と、市町村・都道府県・厚生労働省のいずれかから認可を受けた社会福祉法人が挙げられています。
認定NPO法人ではないNPO法人も申請できますか。
Googleのヘルプの記載からは判断できません。日本語版のヘルプでは、対象は「市町村または都道府県の認定を受けた特定非営利活動法人」と書かれています。申請前にGoodstackに確認してください。
自治会や任意団体は申請できますか。
自治会・町内会や任意団体は、日本の要件の一覧に含まれていません。一覧にある5つの法人格のいずれかにあたるかを確認してください。
費用はかかりますか。
Google Workspace for Nonprofitsの基本機能、Google Ad Grants、YouTube 非営利プログラムは無料で使えます。Google Maps Platformには月額250ドルのクレジットが付きますが、Google Maps Platformは従量課金制のため、クレジットを超えた利用には料金がかかります。Google Workspaceの上位エディションは、割引価格での有料契約です。Google Ad Grantsとは別に有料のGoogle広告を出す場合は、その広告費がかかります。
まとめ
- Google for Nonprofitsは、参加資格のある非営利団体にGoogleのサービスを無料または割引価格で提供するプログラムです。
- 日本で対象となる法人格は、公益社団法人・公益財団法人・特定非営利活動法人・社会福祉法人・一般社団法人の5つで、法人格ごとに条件があります。政府機関、病院・医療団体、学校・大学は対象外です。
- 申請はGoogle for Nonprofitsのサイトから行い、Goodstackが審査します。承認後に各サービスを1つずつ有効にします。
- 提供されるサービスは、Google Workspace for Nonprofits、Google Ad Grants、YouTube 非営利プログラム、Google Maps Platformです。国によって使えないサービスがあります。
自社で進める場合は、団体の法人格が対象の5つにあたるかの確認から始めてください。Google Ad Grantsの申請や、寄付ページまでの計測について相談したい場合は、お問い合わせから相談できます。センダーの支援内容はNPOマーケティング・ファンドレイジング支援に、実績はNPOのGoogle Ad Grants運用とファンドレイジング支援にまとめています。資金集め全体の考え方は、ファンドレイジングとはで解説しています。



